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旧海岸線の道

/横浜金沢観光協会おすすめの散策コース

旧海岸線の道

/横浜金沢観光協会おすすめの散策コース

金沢区には趣き溢れる散歩道がたくさんあります。横浜金沢観光協会おすすめの散策コースを巡る小旅行に出かけてみませんか?

金沢区富岡地区の海岸線はかつて、今よりもずっと手前にありました。1960年代後半から始まった大規模な埋立事業によって工業団地や住宅が造成され、現在の姿となっています。今回はかつての海岸線沿いに残る名所や旧跡を訪ねてみます。

京急富岡駅のすぐ近く、住宅街を歩いていると茅葺きの門が見えます。ここは日本画の大家として知られる川合玉堂がかつて暮らしていた別邸で、別名「二松庵」とも呼ばれているところ。門の中には自然の高低差を活かした美しい庭が広がっています。ただし、一般公開されるのは毎月第一土曜日のみ。興味のある方はその日を狙って訪れるようにしましょう。

そこから国道16号を北上し、旧海岸通りへ。高台に立つのは、昨年の鎌倉殿ブームでも注目された富岡八幡宮です。富岡八幡宮は1191年(建久2年)、源頼朝が富岡の鎮守として摂津国西宮神社の蛭子尊を勧請したのが始まりとされ、応長元年に発生した大津波から村を守った、という言い伝えのある神社。毎年、お正月の初詣でも大変に賑わいます。こちらも住宅街の中にありますが、ここだけ異世界にあるような神聖な空気に満たされていました。

富岡八幡宮の裏手にあたる、かつての海岸線に近い場所には「ふなだまり」という広い水辺があります。毎年初夏の例大祭では、ふなだまりから祇園船を漕ぎ出す神事が執り行われます。舟に罪の穢れを託して沖合遠く流しやり、祓浄めるための行事で、約800年も続いているそう。ふなだまりの周りには、水鳥たちの様子をのんびり眺められる公園も整備されています。

旧海岸通りをさらに北上すると、慶珊寺や長昌寺など安土桃山時代から江戸時代初期に建立された寺社が続きます。
 

長昌寺では芋観音が祀られており、毎年3月「芋観音御開帳」の行事では「玉こんにゃく」などが参詣者にふるまわれ、とても賑わうそう。「芋観音御開帳」当日に参詣すると一年間お参りしたのと同じ御利益があるとされていますから、これは是非とも予定を開けておきたいところです。

旧海岸通りを北上して行き着いたのは、広大な敷地を持つ富岡総合公園でした。ここはかつて海沿いの景勝地だったところで、昭和初期には日本海軍の基地がおかれていた場所。今は金沢シーサイドタウンなどの住宅に囲まれた、緑豊かな公園として活用されています。

公園の中にはアスレチック広場やアーチェリー場などのアクティビティもあり、丸一日楽しめますよ。

今回散策した旧海岸線沿いのルート、実は総距離にして3〜4kmほどしかありません。それだけ金沢区には魅力的なスポットが集約されています。週末の買い物帰りなどに、ちょっとお散歩に出かけるのも良いですね。

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