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セカンドリーグ神奈川

/パルシステム神奈川の中間支援組織

セカンドリーグ神奈川

/パルシステム神奈川の中間支援組織

「自分が暮らす地域のために活動したいけど、何から始めたら良いの?」「困ってる人を助けるアイデアがあるけど、実現する技術や方法がない。誰か詳しい人いない?」といった思いをもっている人たちはいませんか?

 NPOなど各種団体をバックアップしたり、資源を提供してくれる人と活動をしたい人たちをつなげ、支援したりする団体を中間支援組織と言います。昨年、三井アウトレットパーク 横浜ベイサイドで「もったいない! フード&日用品ドライブ」という企画を開催(武松商事株式会社との共催)してきたセカンドリーグ神奈川も中間支援組織のひとつ。設立の経緯や活動内容について、セカンドリーグ神奈川の事務局次長・六角 薫さんに聞きました。

「セカンドリーグ神奈川は東日本大震災が発生した翌年の2012年10月に発足しました。それ以前から設立の準備をしてきましたが、震災をきっかけに環境や食への不安が高まる中で、それぞれの地域で社会課題解決のために活動している団体を支援し、活動の輪をより大きくするような組織が求められていました」

セカンドリーグ神奈川は宅配でお馴染みの生活協同組合「パルシステム神奈川」が立ち上げたネットワークコミュニティ。起業したい、と思っている人の支援や子育て支援団体のサポート、各種NPO団体や企業と行政をつなぎ、一緒に地域課題の解決を目指す事業など、活動内容は多岐にわたります。

「設立当初から子育て中の人たちに対する起業支援、たとえばコミュニティカフェの立ち上げサポート、起業塾の開催などを中心的に行ってきました。現在はフードロスや貧困が社会問題化している背景もあり、余ってしまった食材の有効活用や困窮支援といった活動へのニーズが高まっています」

起業したい人に活動の場を提案したり、集客の方法をともに考えたり、サポートの方法は様々ですが、共通するキーワードは「地域課題の解決」です。たとえば紙芝居を読むのが得意な人から起業相談が来たら、イベントの中で披露する時間を提供。演者さんとしては自分の得意分野を広く知ってもらうことに、イベント運営側としては集客につながり、互いにメリットのある関係を構築されます。個人や団体が抱く思いを、実際に価値ある活動へと導く案内役をセカンドリーグ神奈川が担ってくれます。

2017年からは、神奈川県内の企業や地域団体、行政が連携して食品ロス削減と生活困窮者支援を行う仕組み「K-Model(ケー・モデル)」がスタート。余ってしまった食品や生活用品などをセカンドリーグ神奈川が引き受けてNPO団体などに手渡し、生活困窮家庭などに届ける大きなネットワークへと発展しました。この活動には「ビーバーリンク」という名前が付けられています。

「動物のビーバーは自分たちが暮らしている環境の中に材料を上手に使ってダムを作りますよね。ダムがあることで森は元気に、川はキレイになり、他の動物たちも暮らしやすくなります。セカンドリーグ神奈川がハブとなって様々な団体と緩やかにつながり、地域課題をともに解決していく……。この活動をビーバーが森で果たしている役割になぞらえて、ビーバーリンクという名称になりました」

「もったいない! フード&日用品ドライブ」で持ち寄られた品々も、共催企業の武松商事を通じて「こども食堂」やひとり親家庭支援活動に役立てられています。ビーバーリンクは金沢区など県内13か所に拠点を展開。そこは単に食材の分配作業をする場であるだけでなく、団体どうしが情報交換したり、相談したりする場にもなっています。

人や団体、企業がそれぞれ個別に動くのではなく、互いに手を取り合い、情報や資源を循環させることで活動の輪をより大きく拡げることができます。セカンドリーグ神奈川はそうした仕組み作りを通して、地域社会に貢献したい、と思う人たちの潤滑油的な機能を担っているのでした。

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